【ワーカーズネット講座 第3回「労働契約・就業規則」】

≪労働契約≫

働き始めたものの、募集していた条件と違う!最初の話しとちがう!という事例が良くあります。

良くあることなので、注意してほしい点としては、面談時に労働契約の内容しっかりと確かめ必ず書面でもらい、大切に保管することです。トラブルになったときに、根拠とする書類があるのとないのでは解決の内容に大きく影響を及ぼします。

労働契約法では、「労働者と使用者が対等な立場で合意し、締結、変更すべきものとされています。」

また「試用期間」を定めていることも多いと思いますが、試用期間中であっても労働契約は成立しています。したがって試用期間中でも社会保険や雇用保険への加入は当然です。

■チェック 神奈川県が発行している労働手帳参照

(必ず明らかにしなければいけないこと)書面交付

◎労働契約の期間

◎有期契約の場合は、更新の有無と更新の基準

◎仕事をする場所及び仕事の内容

◎始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇

◎賃金の決定、計算及び支払の方法、締切及び支払の時期

◎退職(解雇の事由も含む)

◎所定労働時間を超える労働の有無

◎パートタイム労働者の場合、昇給、退職金、賞与の有無

●昇給に関すること(これは書面でなくても良いとされています)

≪就業規則≫

就業規則は、労働基準法の内容を下回ってはいけません。

使用者は就業規則を周知する義務があり、労働者がいつでも見れるようにしておかなければなりません。

パート労働者も含めて常時10人以上雇用している場合、必ず作成し、労働基準監督署に提出する必要があります。

就業規則を変更するには、労働者の過半数を代表する人の意見を聞き、その意見書を付けて労働基準監督署に提出しなければなりません。

一方的な就業規則の変更により、労働者に不利益な変更はできない(労働契約法)

*「働くこと」は憲法で権利として保障され、「働くルール」についてはその基準について法律で定めるとしています。

■憲法で位置づけられている労働組合の存在は、かけがえのない重要な役割をもっています。

◎どんな企業でも利益を優先するあまりブラック的な要素があります。放置していると、よりブラック化していく傾向にあるのも現実です。ブラックを具体的に食い止めていくには、こうした法律を良く知り、おかしいことがあれば意見をいっていくことが理想です。しかし一人では声をあげられないのも現実であり、そのために労働組合の存在があるのです。しかも労働組合は憲法でも保障されています。働くものにとって大切な組織なのです。

◎また中小零細企業や個人事業では、こうした労働契約や就業規則が整備されていないのが実情かと思われます。しかし小さい企業であるほど労働者の存在・役割は重要であり、受注・仕事を確保していくにも、利益をあげていくうえでも労働者一人ひとりの役割はより大きいのです。したがって中小零細業者が厳しい経済状況を生き抜いていくためにも、使用者は労働者が働きやすい環境を作り出すことによって、労働者の力を最大限発揮する。そのために労働者の処遇をより良くしていく。

地域産業の活性化のためにも労働者の働くルールを守ることは重要ではないでしょうか。