【ワーカーズネット講座】第5回「休憩・休日」について

1 「休憩」ってどんな時間??

 労働法上,労働時間が6時間を超えて8時間までの場合は,45分,8時間を超える場合には1時間の休憩が与えられなければなり

ません。

 それでは,いきなりですが,問題です。


Q1 A君は,休憩中に,電話番をしなければならず,電話がかか

ってきたら対応することを店長から指示されています。このような時間は,労働法上の「休憩」といえるでしょうか?

  

(解説)

 皆さんが働かれる場合,休憩時間があらかじめ決められていると思います(決まっていなければ,ブラック企業であるおそれが高いです・・)。

 そもそも,「休憩」とは,次のような時間のことをいいます。

  ◆労働からの解放が保障されている時間

 上のQ1をみてみると,確かに電話がかかってこなかったら,何もせずに休んでいてもよい時間です。でも,もし電話がかかってきたら,応対しなければなりません。

 そうすると,働かなくてもいいということが約束されていない時間になるので,労働からの解放は保障されていない時間となります。

 ですので,Q1では,労働法上の「休憩」とはいえず,違法となります。


2 有給休暇ってどんな制度??

 有給休暇は,皆さんご存知のとおり,お給料をもらいながら休むことができる制度です。

 では,またまた問題です。


Q2 B君は,正社員として働いていますが,会社から,うちに有給の制度はないと言われています。このため,休んだ場合には必ず給料が減らされます。これは適法??

 (答え)

 以下のような場合には、違法です。どういった場合かというと、勤務開始から6カ月継続して勤務し,決められた労働日の8割以上勤務した場合です。この場合,会社は,1年につき10日間の有給休暇を与えなければいけないということが,法律で決まっているのです。ですので,会社に有給の制度のあるなしにかかわらず,有給を取得する権利は労働者に認められています。しっかり有給を取得しましょう!


Q3 C君は,パートとして働いているので,会社から,パートには有給休暇がないと言われています。このため,休んだ場合にはやはり,給料が減らされます。これは適法??

(答え)

 やはり,以下の場合には,違法です。それは,勤務開始から6カ月継続して勤務し,決められた労働日の8割以上勤務した場合です。

お気づきのように,正社員であろうと,パートやアルバイトであろうと,上のような場合に,1年につき10日間の有給休暇が与えられなければならないのは,同じなのです。


●休憩・休日をとることは,心身の健康を保つために,とても重要です。しっかりお休みをとりましょう!